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ユマ コシノ アソシエイツ 小篠ゆま 氏
JCはクリエーションの塊+ビジネスであって欲しい
ここ数シーズンスケジュールが合わなかったので、久し振りの来場になってしまいました。以前は産地単位のブースが目につきましたが、今回会場を回ってみると個別の生地メーカーの出展が増えていて、以前より見やすく、機屋さんの個性・ポイントも伝わりやすいと感じました。その分各ブースの良し悪しも明確に見えてしまいますね。
今回はゆとりのあるスペースとなっていたので、インデックスのテーブルがもっとずっと長いものであったほうか見やすかったのではないでしょうか。またクリエーションは糸や素材から始まるのですから、メイド・イン・ジャパンとしてのイメージ・コンセプトを打ち出せるクリエイティブチームなどと連動し、話題性・インパクトある打ち出しといったものも必要な気がします。ジャパン・クリエーションという素晴らしい名称通りの、プロフェッショナルのクリエーションの打ち出しが求められるようになってきていると思います。
私自身は、JCに育てられたという思いがあります。ジョイント・コレクションである尾州コレクションなどをきっかけに、産地と関わり取り組んできました。だからこそJCにはクリエーションの塊がここにあるといえる場であって欲しい。それは面白いものだけ作ればいいものだということではありません。またクリエーションの中にもビジネスがあるという提案を期待しています。 |
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Mastermind JAPAN 本間 正章氏
「メイド・イン・ジャパンを世界へ打ち出すために」という意気込みで来場
ファッションに携わる人間なら見なくてはいけない展示会だと思っているので、毎回必ず来場しています。今回はビジネスゾーンの方が見やすかったですが、各企業の出品内容はプロモーションゾーンとの境目が判然としなかった。
最近はインデックスコーナーを見ないようにしています。全部のブースを、一軒一軒じっくりと時間をかけて見たいからです。その中でスペシャルなモノと出会いたい。そしてそれを製品にし、メイド・イン・ジャパンとして打ち出していきたいという意気込みで来ています。
度々残念に思うのは、ブースによっては客を選別し、ここから先は見せない・予約されないと説明できないというような対応をされる場合があることです。服装のテイストで判断されているのだと思いますが、それではスペシャルバイヤーのネームホルダーを付けている意味もないような気がします。マスターマインドは日本の最高技術といわれるものをもちいて20〜30万円のという製品を作り続けていますので、素材の価格がメートルいくらというのはそれほど問題ではない。メートル15万円という生地も作ったことがありましたし。当初はそんなものは売れるはずがないと酷評されましたが、パリ・メンズコレクションでもメイド・イン・ジャパンのすごさにこだわりつづけ、評価してもらえるようになりました。だから尚更、良い技術を持ち、良い生地を作っているのはわかるのに、そういう対応をされるととてもがっかりとしてしまいます。モノを買っていただくというのは大変なこと。「いらっしゃいませ」と会場内で声が飛び交うくらいで本当だと思います。
糸も生地も染め・加工もそして最終製品も一体化してメイド・イン・ジャパンが世界に評価されるようになるためには、お互いがギブ・アンド・テイクのフェアなビジネスと意気込み、信頼関係を築けることが大切だと思います。また、そういった姿勢が見える企業なら、スペシャルなものが見つからなくても、あと一歩のものがあれば取り組みを進めたいという気持ちになります。
「物づくりに取り組みたいのか、量を売りたい企業なのか」や、ビジネス上の条件面なども事前に明確に提示されるともっと取り組みやすいですね。 |
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